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アダルトチルドレンは認知療法でケア!日本文化に潜む美徳の罠とは?

認知療法

「アダルトチルドレン」とは、そもそも病気ではありません。また、言葉からイメージされる「子供のような未熟な大人」でもありません。子供の頃に受けたトラウマが、大人に成長しても生き辛さに悩んでいる状況を意味しています。

 

まだ認知や理解の浅いアダルトチルドレンですが、二次的に別の病気を引き起こす危険性や、日本の文化や社会性の影響でなり易い私たちの身近な問題です。治療だけでなく予防や発見にも役立つアダルトチルドレンの特徴について説明します。


毒親はトラウマの元凶!機能不全家族の影響とは?

元々アダルトチルドレンとは、アルコール依存症や薬物依存症の親に育てられた人のことを示してましが、最近では「毒親」や「機能不全家族」といった抑圧された環境で育った人も対象になっています。

 

一見すると極端な家庭環境をイメージしますが、トラブルの無い家庭なんてレアですから、割と多くの人に当てはまっていると認識する必要があります。

毒親はトラウマの元凶!

毒親とは、『「身体的」「性的」「精神的」な虐待』など、子供を毒のように蝕む親の事を表します。その特徴には、次のような傾向があります。

    <毒親に見られる特徴的な傾向>

  • 人間関係の構築が適切にできない
  • 偏った思想に傾倒し、社会に適合できない
  • 極度な緊張感や不信感を常に持っている
  • 歪んだ愛情表現に偏る
  • 身体的や精神的な障害を持っている

機能不全家族の影響とは?

機能不全家族とは、家庭内に不和や対立、虐待やネグレクトなど、子供にとって望ましくない環境が恒常的に続いている家庭のことを言います。

 

TVドラマのような極端な家庭を想像しがちですが、機能不全家族かどうかを決めるのは、支配される子供の受け止め方にあり、親に決定権はありません。そのため、過保護や放任など身勝手な愛情表現に、親が気付きにくいものです。

病気じゃないのになぜ苦しい?無理やり演じた役割とは?

アダルトチルドレンによって受ける影響とは、子供の頃に受けた心の傷や感情の抑圧によって、大人になった現在の言動に問題が生じてしまい、社会生活に適合できず悩んでしまうことにあります。その言動によって周囲を不快にすることや、逆に過度に空気を読んだ言動を取ってしまうことへの違和感が、生き辛さや自己否定を生んでいます。

病気じゃないのになぜ苦しい?

アダルトチルドレンの人は、幼少期のトラウマの影響を受けた極端な考え方になってしまっています。その極端な考え方「認知の歪み」が、社会との健全な関係構築を阻害していることが苦しさの原因です。この「認知の歪み」は、うつ病などを発症してしまうとても危険なものなのです。

無理やり演じた役割とは?

アダルトチルドレンの人は、機能不全家族の中で身を守るため、家庭のなかで特定の役割を演じて生きてきました。そのため、大人になった現在でも何かを演じてしまい、周囲との軋轢を生み自分を見失った状態が続いてしまいます。

    <アダルトチルドレンが演じる6つの役割>

  • ヒーロー:常に優秀な成績を修め目立つことで、家庭の暗部を隠す
  • スケープゴート:何らかの問題行動を起こすことで、家庭の真の問題から目をそそらす
  • ロストワン:おとなしく自己主張しないことで、家庭の問題から逃れようとする
  • ピエル:自らが道化者となりおどけた行動をとることで、家庭の緊張を和らげようとする
  • リトルナース:子供が逆に親の世話をして、家庭の問題の発生をおさえようとする
  • プリンス、プリンセス:自分の感情を押し殺して親の期待に応え、家庭の問題の発生をおさえようとする

この演じる習慣が続いていること自体問題ですが、精神的な負担がうつ病などの病気に発展してしまう問題の方が大きいといえます。

機能不全家族は連鎖する?隠れた問題とは?

理想を言えば、「無償の愛」での子育てが望ましいです。ですが、多くの場合、「条件付きの愛情」によって子育てしているのは現状です。例えば、お使いをして誉められるといいた出来事も、受け止める子供によっては、「○○しなければ愛してもらえない」といった条件付けしてしまうケースがあるからです。

機能不全家族は連鎖する?

機能不全家族は、その当事者が問題に気付いていない場合がほとんどです。また、第三者からは適度なしつけのように映り、不干渉な風潮もあいまって指摘しにくい現状にあります。そのため、アダルトチルドレンになった人が家庭を持った場合、自分の親と同じような子育てとなりがちで、機能不全家族が連鎖してしまう可能性が高くなります。

隠れた問題とは?

アダルトチルドレンの人が、その原因に気付いた場合も問題があります。自分の悩みの原因が親にある事を知って、完全に他者の責任として恨み続けてしまう危険性があるからです。

 

機能不全家族は状況であって原因ではなく、それによって身についてしまった「認知の歪み」が根本であるとの認識が重要です。

アダルトチルドレンは治せるか?治療へ向かうには!

アダルトチルドレンとは、状況を表しているのであり病気ではありません。そのため、明確な診断基準が無く、心療内科等でも治療されません。多くの場合、症状の似た神経症と診断されることや、実際に併発した他の病気の治療をきっかけに始めることになります。

 

治療は、専門家のカウンセリングを主体に施されます。それは、過去の環境で失ってしまった「自分を取り戻す」ための治療であり、認知的アプローチが最も効果的で安全だからです。

 

育った環境やそれまでの人生は多種多様です。その人にあったアプローチが望まれます。

認知療法での注意点とは?うつ病とはここが違う!

アダルトチルドレンは、子供の頃の偏った生活で生じたトラウマを発端として「認知の歪み」が生じています。つまり、内科的なものでなく精神的なものであるため、心理療法の一つ「認知療法」が主になっています。

 

「認知療法」は、ものごとの考え方を変える対処方法を学んでいくものであり、過去の生活で偏ってしまった考え方を是正し取り除くことで、今の苦しい生活を改善する狙いがあります。

 

また、アダルトチルドレンの認知の歪みには、極端な考え方に固執してしまい、社会と上手に関係性を作れないという特徴があります。

    <アダルトチルドレンの極端な考え方>

  • 理想主義
  • 過度な責任感
  • 判断の柔軟性の欠如
  • 判断を他人に任せる依存性

認知療法での注意点とは?

自分の「認知の歪み」を変えていく行為は、ある意味での自己否定にあたり本能的な拒絶を受けやすいものです。また、過去を振り返るとは、あえて目を背けていた事実に向き合うため、精神的な苦痛を伴います。

 

「薬で痛みを和らげる」、「外科手術で患部を取り除く」といった治療者に依存した方法ではありませんので、「自分から直そう」という意識を持てるかが重要です。

うつ病とはここが違う!

うつ病とは、主にストレスを発端にして、考え方だけでなく脳の働きが阻害され、精神的および身体的な症状を伴う精神疾患です。それに対しアダルトチルドレンは、子供の頃のトラウマを原因とした心の状態をいいます。

 

トラウマも一種のストレスであり、症状やプロセスに似た傾向があります。そのため、アダルトチルドレンの人は、うつ病を併発しやすい傾向もあり、その判断は難しく専門家の診断が必要です。

まとめ

私たち日本人は、「我慢や忍耐」を推奨し、「空気を読み」、「和を以て貴しとなす」ことを美徳とする文化があります。そのため日本人は、アダルトチルドレンになり易い社会環境に置かれています。文化自体になんの責任はありませんが、行き過ぎに問題があるのです。

 

そういった意味で、アダルトチルドレンは実に身近な問題です。

 

あらためて自分の過去や今の家庭を見つめ直し、家族や子育てについて考えてみるきっかけになれば幸いです。

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