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認知療法で社会不安障害が治るか?薬と認知の2つの治療方法が必要!

認知療法

人前で緊張してあがってしまうなんて、多くの人が経験していますが、正常ならば上手い下手を別にして、なんとか切り抜けているものです。

 

しかし、緊張などに過剰に反応してしまい、日常生活に支障をきたしてしまう症状、「社会不安障害(SAD)」に悩んでいる人がいます。

 

「社会不安障害」は、まだ一般の理解が浅く認知が低い状況です。正しい知識は、患者本人だけでなく周囲の人にとっても大切なことなので、知るきっかけとなれるよう「社会不安障害」のあらましを紹介します。


そもそも病気なのか?特徴的な症状とは?

社会不安障害は、あまり一般的に知られていませんが、実はまれな病気ではありません。海外の調査では、人口の10~15%のり患が認められています。また、どの年齢での発症していますが、若年層、特に10代に多く見られ、最も発症年齢の低い神経症となっています。

そもそも病気なのか?

健康な人でも人前では、緊張などの神経症と発汗など自律神経症が現れます。ところが、社会不安障害では、この二つの症状が異常なほど強力に恐怖を伴って襲ってきます。そのために、日常生活に支障をきたしてしまう苦痛と行動障害を引き起こす、れっきとした病気なのです。

特徴的な症状とは?

社会不安障害では、「神経症状」と「自律神経症状」の二つの症状が現れます。

 

それぞれの代表的な症状は、次の通りです。

    <主な神経症状の事例>

  • 過度な緊張と恐怖による精神的苦痛
  • 社会からの現実逃避による回避行動
  • 本人も不合理な症状と理解していても避けられないことへの葛藤
  • 自己評価の低下によってうつ的思考への傾き

    <主な自律神経症状の事例>

  • 頭痛や頭重感
  • 発汗や赤面
  • 息切れなど呼吸障害
  • 動悸や胸痛
  • 腹痛や下痢
  • 手足のしびれや震え

他者評価への恐怖が病気を引き起こす!発症の原因とは?

社会不安障害の一番の要因は、「他者からの悪い評価付けされることへの恐怖」という感情です。

 

「人に笑われたらどうしよう」

 

「失敗したらどうしよう」

 

このような感情に反応して症状が現れます。実際の状況だけでなく、本人がそれを予期した感情での症状が現れてしまいます。

発症の原因とは?

社会不安障害の原因として2つの説が存在しています。

 

神経伝達物質説は、脳内の神経伝達物質のバランスの崩れることで、不安や緊張に過敏になるという説です。特に、セルトニンの減少などで働きが弱まると、緊張や不安になりやすくなります。

 

神経症説は、人前での緊張などへの反応を「異常で恥ずかしい反応」と誤った認知にあるといった考え方です。実際、緊張や不安を感じやすい神経質傾向な人が、失敗を笑われるなどの「外的要因」をきっかけにして、症状が現れることが多く見られます。

 

この2つ以外にも、脳内の恐怖や不安に関連する扁桃体の過剰反応という説もあり、まだ明確に解明されていないのが現状です。

初期治療の薬物療法!落ち着いてからの精神療法!

社会不安障害の治療方法には、それぞれの原因をターゲットとした「薬物療法」と「精神療法」の二つがあります。

 

治療の初期段階は、薬物療法から始めるケースが多く、その理由は、不安や恐怖の度合いが強いためです。薬によってある程度症状が安定を図って、精神療法を併用するやり方が一般的です。

初期治療の薬物療法!

主な薬は、不安や恐怖を改善し和らげるセロトニンを増やす作用のある「抗うつ剤」や「抗不安薬」が処方されます。

    <薬の効果と注意点>

  • 抗うつ剤:安全性や依存性の面に優れているが、効果が認められるまで数週間かかる
  • 抗不安薬:即効性に優れているが、継続使用による耐性や依存性の危険がある

この特性により、治療当初は抗不安薬で症状を緩和し、抗うつ剤に切り替えていきます。

落ち着いてからの精神療法!

症状が強い状態では、精神療法の効果は期待できませんし、実行すること自体困難です。そのため、薬である程度安定してから精神療法を併用することになります。

 

精神療法は、薬物療法と比較して副作用が少なく安全性が高い上に、再発予防にも優れているメリットがあります。しかし、時間がかかることや、日本ではまだ保険適用されていないため費用の高さが課題となっています。

認知行動療法による治療とは?種類とやり方を知ろう!

「認知行動療法」とは、「考え方に働きかける認知療法」と「実際に行動することで改善を図る行動療法」を組み合わせた精神療法の一つです。

種類とやり方を知ろう!

認知行動療法は、目的に応じた手法を組み合わせて行います。

    <認知行動療法の種類と内容>

  • 認知修正法:自分の行為への評価を再考し、実際に確認することで症状を緩和する
  • 段階的暴露法:実際にストレス状態を体験し、段階的に慣れることで症状を軽減する
  • 不安対処訓練:緊張や不安を和らげるリラクゼーション法を学習する
  • 集団認知行動療法:大勢で自らの行為について話し合い、客観的に見つめることで症状を解消する
  • ソーシャルスキルトレーニング(SST):社交性を高める会話術を学習する

類似症状の病気とは?他の神経症の併発に注意!

社会不安障害には、症状が類似した他の病気や併発しやすい他の神経症があります。適切な治療や悪化を予防するため、その存在を知っておく必要があります。

類似症状の病気とは?

治療法は、その病気にあった適切な方法を選択しなければなりません。セルフチェックなどで誤って判断しないよう注意しましょう。

    <症状の類似する病気事例>

  • 甲状腺機能亢進症:頻脈、発汗、震え
  • パーキンソン病:手足の震え
  • 本能性振戦:手や腕、顔の震え
  • 統合失調症:意欲の低下や引きこもり傾向
  • 発達障害:コミュニケーション障害や社会性障害

他の神経症の併発に注意!

社会不安障害に悩んでいる人は、その発症要因が似ているために、他の神経症を併発してしまうケースが多く見られます。

    <併発しやすい主な神経症>

  • 抑うつ神経症(うつ病は精神病に分類される)
  • 不眠症
  • 潔癖症
  • 高所恐怖症、疾病恐怖症、加害恐怖症などの恐怖症

悪化をまねく状況とは?周囲の理解が症状を改善する!

繰り返しになりますが、社会不安障害はまだ認知が低い状況です。そのため、本人が感じている強烈な恐怖と苦痛が理解されず、「誰にでもあること」と誤解され軽く扱われ、症状の悪化をまねいてしまう恐れがあります。

悪化をまねく状況とは?

症状が悪化する状況とは、その人が「他者から評価される」と認識する状況です。

    <悪化しやすい状況>

  • 人前での発表
  • 電話の受け答え
  • 初対面や目上の人との会話
  • 会食や記帳など

周囲の理解が症状を改善する!

悪化してしまう状況は、何も特別なことではありません。そのため、「慣れれば大丈夫」とか「悩みを聞いて相談にのる」といった良かれと思った行為が、本人にとって「他者の評価」と認識して、症状を悪化させてしまう危険性があります。そのため、本人だけでなく周囲の人の正しい知識と理解も大切です。

まとめ

社会不安障害についての特徴や治療方法、周囲の理解の重要性について説明してきました。ただ、この病気の治療には、本人の「克服へのほんの少しの努力」が重要になっています。病気を認めて治療を受けること自体、本人の意思なくてはできません。

 

生活パターンを整え、『「朝日を浴びる」「リズム運動」「食事の改善」』などで、薬物療法と同様にセロトニンを増やすことができます。

 

「頑張れ!」とは言いませんし、無理は厳禁ですが、ほんの少しだけ恐怖に立ち向かう勇気に目を向けてみましょう。

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